Final Update: Oct 17, 2004


■ ブルネイのレディオ・ライセンスの取得方法

 ブルネイのレディオ・ライセンスの取得方法についてご説明致します。

 最新の規定は、外国人向けのコールサインはV8F**(Fは外国人を示すForeignerです。)が割り当てられます。以前より割り当てられていたV85**の割り当てはブルネイ国民を含めて終了しており、新たな割り当ては行われていません。

 ブルネイにはライセンス・クラスが存在する以上、日本の従免と照らし合わせると、2アマ以上の従免がないとHF帯が運用出来るライセンスは取得できません。これは何度も聞いたのですが、3アマはダメだと言われてしまいました。

 ちなみに、ブルネイで上級ライセンサーは200局位いるそうで、その中で実際に運用している方は20局位だそうです。

 ブルネイの外国人への免許発給に関してはいろいろ紆余曲折があり、ブルネイのアマチュア無線界の実力者の中には、外国人に免許発給することに消極的な方もいるそうです。そういった中、V8/JM1LJS等のテンポラリー・ライセンスの案が浮上したようですが、JAアマと交流の深いV85RH/ラマンさんが説得に回ってくれたおかげで、何とか外国人もV8F**の割り当てることで落ち着いたそうです。感謝!



■ 必要書類

 ブルネイのライセンス申請は、必要書類が原紙でなければなりません。申請書と英文証明は、コピーはダメです。これも私の体験談ですが、私の申請書はOH2MCNのサイトからダウンロードした物に書いて持っていったのですが、現地で申請用紙の原紙に書き直すように指示されました。(これは、3分くらいで書き直せますので、現地で書き直してしまえばOKです。)また、従免と局免の英文証明は、原紙かカラーコピーかを問われましたので、コピーを提出すると、どういう結果になるかわかりません。また、日本の従免と局免もチェックされましたし(これは、見てもらっても読めないのですが。)、パスポートの提示も求められました。イメージ的に言うと、面接みたいな雰囲気と思って下さい。(それ程堅苦しいことでもありませんが。)

 従いまして、以下の書類を用意して下さい。

@ 申請用紙(原紙,もしくは、コピーに書いて、現地で書き直す。)
A 日本の従免と局免のコピー
 (持参する場合は、日本の従免と局免も持って行く事。)
B 日本の従免と局免の英文証明(原紙に限る。)
C パスポートの顔写真のページのコピー
 (持参する場合は、当然パスポートも持って行く事。)

 コールサインのリクエストについてですが、原則的にはコールサイン(V8F**の*:2文字)は選べないことになっていますが、テレコムでお願いすると、空いているコールサインを直ぐに調べてくれて、空いていれば希望のコールサインを割り当ててくれます。これが何時まで続くかはわからないのですが、現状はコールサインのリクエストが出来るようです。

 次に、OH2MCNのサイトでダウンロードできる、申請用紙のコピーの書き方を説明します。

 以下のPDFファイルをダウンロードして下さい。

       ● http://www.qsl.net/oh2mcn/v85a1.pdf

       ● http://www.qsl.net/oh2mcn/v85a2.pdf

 上記の2つのファイルは両面印刷ですが、コピーを両面印刷しても使えないことがわかっているので、下書き用に書いてしまいましょう。

 始めに v85a1.pdf(表面)の書き方を説明します。

 1 Keterangan Persendirian / Syarikat の中の
 NameALAMAT PERSURATANALAMAT PEMASANGAN だけを記入します。

  NAME は、電波 太郎なら、Taro Denpa

  ALAMAT PERSURATAN は郵便住所ですので、POBでOKです。
  現地旅行会社の住所をお借りして、記入して下さい。

  ALAMAT PEMASANGAN は常置場所ですので、POBはダメです。
  宿泊するホテルのアドレスがPOBでなかったら、そのアドレスを書いて
  おけばOKです。ブルネイのライセンスは国内の何処からでも有効ですの
  で、常置場所が示されていれば問題ありません。(日本と同じ。)

 2 Kategori Lesen の以下にチェックマークを入れます。

  Operating Licenceにチェックマーク。

  Amateur Radio:Advanced Classにチェックマーク。
  2アマ以上の方がチェックします。3アマ,4アマの方は、
  Standard Class にチェックをします。(HFには出れません。)

 これだけで、v85a1.pdf(表面)は終了です。(簡単でしょ。)

 次に、v85a2.pdf(裏面)の書き方を説明します。

  Tanada Tangan に英文表記でサインを入れます。

  TARIKH に日付を入れます。
  DAY(2マス)-MONTH(2マス)-YEAR(2マス)で、計6マスです。

 これだけで、v85a2.pdf(裏面)は終了です。(簡単でしょ。)

 申請書自体は簡単でして、これだけで準備が調います。後は、ライセンスの申請をどうやるかと、ブルネイへのリグの持ち込みが問題なのです。



■ ライセンスの申請先

 ブルネイのライセンスは、以下のテレコムが発行してくれます。

 英語: TELECOMMUNICATION DEPARTMENT MINISTRY OF COMMUNICATIONS
 マレー語: JABATAN TELEKOM KEMENTERIAN PERHUBUNGAN

 実は住所がわかりません。
 ライセンスもレシートも、タイプされていないのです。

 電話をかけて、直接お問い合わ下さい。

 TEL: +673-232-3232
 FAX: +673-238-1273

 英語の得意な方は、一度電話をかけてご相談されると良いかと思います。ライセンスの申請用紙を送ってもらえないか,ライセンスを郵送で申請できるのか,持参申請でなければ駄目なのか等は、直接電話でご確認された方が良い方法が導き出せるでしょう。(と言うより、「ブルネイに来たら、一度来なさいよ!」と言われるだけのような気もするのですが。)

 タクシーで直接向かわれる方は、マレー語の JABATAN TELEKOM KEMENTERIAN PERHUBUNGAN を紙に書いて伝えて、タクシー・ドライバーががわかるかわからないかに左右されるわけです。電話番号がわかっていますので、ブルネイに入ってから追いかけるしかないかも知れません。

 尚、ブルネイでのライセンス申請は現地局の仲介が必要で、日本人だけでは申請出来ません。これは、結局のところV85RH/ラマンさんに相談が行きます。テレコムに相談しても、旅行会社のトラベル・トレード・エージェンシーに相談しても、結局V85RH/ラマンさんに相談が行くのです。ある意味、V85RH/ラマンさんがいないとライセンスは取得できないのです。変に遠回りをしないで、最初からV85RH/ラマンさんにご相談された方が良いかと思います。V85RH/ラマンさんはとても気さくで、とても親切な方です。



■ レディオ・ライセンスとインポート・パーミット

 ブルネイは、無線機の持ち込みに関して輸入関税の支払いを行わなければなりません。輸入関税を支払うと、インポート・パーミット(輸入許可証)を取得することが出来ます。ブルネイの輸入関税は商品価格の5%程だそうですが、インポート・パーミットが必要な国は、ライセンスの取得が面倒なのです。

 ではどうやってライセンスを取得するかですが、正攻法は以下の手順でやるしかありません。

 始めに、ブルネイではライセンス申請の際、リグの型名やシリアル番号を示す必要はありません。(包括免許です。)

【リグを持参しない場合】

@
リグを持たずに入国して、ライセンスを申請して発行してもらう。
A
ライセンスを取得したら、現地局のリグを貸してもらって運用するか、一度出国して、次回入国する際にリグを持ってきて、空港税関で事情を説明して、リグを預かってもらい、テレコムにインポート・パーミットを発行してもらいに行く。(リグのインポートパーミットは、テレコムが発行してくれます。)インポート・パーミットを発行してもらったら、空港税関に行き、関税を支払ってリグを持ち込み運用する。

【リグを持参する場合

@
空港税関でライセンス申請をする事を説明して、リグを預かってもらい、テレコムにライセンス申請を行い、同時にインポート・パーミットを発行してもらう。この際、リグを持ち込んでいると(すなわち密輸)極めてまずいことになる。ルールはしっかり守ること。
A
ライセンスとインポート・パーミットを発行してもらったら、空港税関に行き、関税を支払ってリグを持ち込み運用する。

【現地局にお願いする場合】

 明確では無いのですが、ブルネイのライセンスは、必要書類が揃っていれば、本人がいなくても代理人の申請でライセンスを発行してもらえるようです。(これは本当に責任が持てませんので、やってみてダメだったらダメという認識でご理解下さい。)

@
現地局から、ライセンス申請用紙(原紙)を日本に送ってもらう。
A
必要書類を揃えて現地局に送り、代理でライセンス申請をしてもらう。
B
発行されたライセンスを日本に送ってもらい、ライセンスを持ってブルネイに入国する。空港税関で事情を説明して、リグを預かってもらい、テレコムにインポート・パーミットを発行してもらいに行く。インポート・パーミットを発行してもらったら、空港税関に行き、関税を支払ってリグを持ち込み運用する。

ということになります。

 それで、どの位の費用がかかるかですが、私はFT−100D,HL−1Kfx,アンテナカップラー AT−130を持ち込みましたが、結局、ボコボコにへこんだHL−1Kfx(そうとうあらっぽく使ってますから。)と20年も前に製造されたAT−130は課税対象にはならず、FT−100Dだけが課税対象になりました。ある意味、型後れのリグを持ち込めば課税は低く抑えられると思います。諸費用は、書類作成費用等を含めて1万円にもなりませんでしたので、そんなに高額な課税がかかるわけでもありません。当然、一度インポートパーミットを発行してもらえば、そのインポートパーミットで何度でも持ち込み,持ち出しができます。

 それで、これもどうやったかと言うと、実のところV85RH/ラマンさんに助けてもらいました。いろいろなところに行かなければならないので、現地局のヘルプがなければ、そうとう戸惑うと思います。



■ ライセンス・フィーと有効期限

 ブルネイの外国人向けライセンスの有効期限は3ヶ月です。ライセンス・フィーは25ブルネイドル。ライセンスの更新を4回行うと1年間有効のライセンスが発行されます。ライセンス・フィーは、3ヶ月間有効のライセンスでも,1年間有効のライセンスでも、共に25ドルです。それではとばかりに、「25ドル×4をお支払いしますので、1年間有効のライセンスにして下さい。」などと言ってはいけません。(と言いつつ、ご想像通り私はそう言ってダメと言われました。)



■ 誰にヘルプを求めるか

 ここまでお話しすると、海外のライセンス取得によっぽど慣れた人でないと断念するしかなくなってしまうかも知れません。それでは、どうやって効率良くライセンスを取得するかですが、まず私がお願いした トラベル・トレード・エージェンシー にメールを送って手配してもらうのがよいでしょう。全て、一度やっている事ですし、英語の苦手な方から相談があった場合は、通訳もして下さいと言っておきました。(日本人ガイドが一緒に行ってくれますので大丈夫です。)同様に、無線に適したホテルも手配してくれます。(私が宿泊したところ。)

 そして、ブルネイのアマチュア・レディオ・ライセンスはV85RH/ラマンさんがテレコムと親しく、いろいろご相談を受けたりご提案をされたりしていますので、V85RH/ラマンさんにお手紙を送り、ご相談をされると良いでしょう。このページの内容を理解されてからご相談されれば、お話しはスムーズに行くと思います。(このページのインフォは、全てV85RH/ラマンさんにお聞きしたお話しと私自身の体験談をもとにご紹介してあります。)

 おおよそ書いてある通りなのですが、私(JM1LJS)にもご相談頂ければ、何とかお力お力沿いになれるかも知れません。



■ 終わりに

 私の体験談をそのままご紹介すると、ブルネイのレディオ・ライセンスの取得が非常に難しいように感じ取られてしまうのではないかと心配しています。しかし、テレコムは「ブルネイに来てくれるなら大歓迎ですよ!」とおっしゃっているのです。ライセンス取得に際し、何か問題が起きても、テレコム,そして、トラベル・トレード・エージェンシーV85RH/ラマンさんも含めて、必ず良いアイディアを出してくれると思います。そんなに悲観しなくても大丈夫です。既に日本語だけでも何とかなる環境も整っているのですから。