JD1コールサインの取得方法 (ご参考)

1) 最近の状況


 私がJD1コールサインを取得した頃に比べて、最近はJD1コールの取得が容易になっているでしょう。境浦ファミリーから運用を行う(つまり、境浦ファミリーから無線局開設同意書をもらう。)2アマ以上の方なら、確実にJD1コールが取得出来るでしょう。

2) 始めに


 JD1コールの取得に関してましては、昔から様々な噂がありました。私がJD1コールサインを取得した頃は、総通に電話をすると、その噂の真意が間違いでもなかったであろうことに気づきもしました。しかし、現在はそのような噂を聞くこともなくなりましたので、今後はJD1コールの取得に際し、明らかなブロックだなと感じるようなことはないでしょう。

 小笠原在住者を除いて、JD1コールの取得はあくまで運用上の手段でなければならないでしょう。(小笠原在住者には、普通にJD1コールが割り当てられます。)例えば、HF帯で100W運用する為の手段としてJD1コールを取得するとか、1.2GHz帯で内地との交信を狙うに辺り、10W運用する為の手段としてJD1コールを取得するとか、JD1コールを取得しなければその目的の運用が行えないのであれば、JD1コールの申請が正当な理由に基づくことになるわけです。

 JD1コールをHF帯50W出力以下で申請すると、総通から電話があり「JM1LJS/JD1のように移動局として運用するように。」と説得を受けることかあるかも知れません。ようするに、HF帯50W出力以下でのJD1コールの申請は、総通としてはその申請に正当な理由があるとは考えにくいという予測も、間違いではないことに気づかなければならないでしょう。

 正当な理由として1.2GHz帯の10W運用を行う為にJD1コールの申請をするにしても、「私は50エレ2パラ2段にNF0.4dBのプリアンプを持ち込んで内地との交信に挑戦します。」という具体的な計画をお持ちの方と、「10W出力で申請して、モービルホイップを繋いで運用すればいいんでしょ。」という主張だけの方では、総通としては前者が正当な理由として受け取れても、後者は正当な理由として受け取れるかというと、かなり疑問が残ることもお分かり頂けると思います。

 つまり、運用する為の手段としてのJD1コールの申請が正当な理由と認められるなら、総通はJD1コールを発給すると考えられるわけです。そして、JD1コールを正当な理由に基づいて申請しているあなたは、小笠原の民宿のオーナーから無線局開設同意書を頂いているでしょうし、おがさわら丸の運行スケ ジュールもお調べになり、渡航日を確定して、それに合わせて無線局開設同意書を頂いた民宿に予約を入れているはずです。ここまで整っていれば、あなたは総通にJD1コールを申請して、運用する為の手段としてJD1コールを発給してもらえばよいだけです。

 お間違いにならないで頂きたいのは、JD1コールの取得は目的ではありません。JD1コールの取得は、あくまで運用する為の手段です。小笠原での運用計画,渡航予定がある上で、その運用する為の手段としてJD1コールを取得することをお忘れにならないで下さい。そして、この意味がご理解できない方は、総通の担当者から電話で質問されたり、説明を求められたりした場合、要らぬ誤解をされてしまうかも知れませんのでご注意下さい。

3) Q&A(小笠原在住者以外の方向けです)

Q1. JD1コールを申請するに辺り、必要な書類は?
 
A1. 通常の申請書類に加え、小笠原の民宿のオーナーから頂いた、民宿(常置場所)での無線局開設同意書が必要。更に、参考として具体的な小笠原への渡航計画書を添付することが望ましいです。(渡航計画書の添付が無ければ、総通から電話があるはずです。)
Q2. 小笠原在住者でない者の50W出力以下でのJD1コールの取得は困難ですか?
 
A2. 率直に言って、そう思います。
Q3. JD1コールを取得する際は、住民票を小笠原に移さなければならないのですか?
 
A3. 住民票を移す必要はありません。そのままで大丈夫です。(私の住民票は、横浜市港北区役所にあります。)もし総通の担当者から住民票の提示を求められた際は、その法的根拠をお尋ね下さい。今は個人情報保護時代です。意味がわからない住民票の送付は行わないようにしましょう。
Q4. 昔から幾度となく、「1エリアのコールを所持する者は、JD1コールを取得するなら1エリアのコールを放棄しなければならない。それが放棄できないなら、JD1コールは取得できない。」と聞いています。
 
A4. 私はJM1LJSであって、JD1BLKです。大出力運用を行う為の手段としてJD1コールを申請して、それを取得しています。何方でも同様なはずです。
Q5. 感覚的ですが、総通はJD1コールを特別扱いしているように感じます。
 
A5. 率直に言って、昔はそうだったと思います。しかし、既にそれは過去のお話です。
Q6. 総通から電話があり、いろいろ質問,説得,説明をされて困っています。
 
A6. その場でお返事をしないで、総通のご指摘が法的にどのような解釈がされているのか、全てのご指摘に関してお聞きして、一端「全てのご指摘についてよく考えます。」とお答えして電話を切り、落ち着いて考え直しましょう。その後、解決の糸口として担当者にアポを取り、総通に出向くのも一つの方法です。

4) ワンポイント


 JD1コールの申請は、総通から電話がかかってくる可能性が高いとお考えになった方がよいでしょう。電話はいきなりかかってきますから、その際あわてないようにJD1コールの申請を行った後は、日頃からどーんと構えておくことです。穏やかに、おっさんの味、しっかり出して下さいね。特に、担当者が変わった後はあらぬ方向にお話が流れることがあるかも知れませんが、こちらから前例に基づいたご説明を行いますと、お話は前例通りに戻せます。

 ここで前例ですが(私の事しか書けませんが)、JD1BLK局は常置場所を小笠原の民宿とし現住所を横浜としたまま、民宿のオーナーから頂いた無線局開設同意書と小笠原への渡航の意志を示したお伺いの手紙(つまり、詳細な渡航計画書ではない。)を添えて、小笠原の民宿にもおがさわら丸にも予約も入れずにJD1コールの100W局申請を行い、それが免許されています。(もちろん、電話はありましたが。)

 つまり、この申請内容で免許になった人がいるということです。以上、ご参考になれば幸いです。

5) 追記


 最後に、こういったご説明を行いますと、「JD1コールを申請してそのコールが取得できるのは従事者免許所持者の正当な権利です。」から話をお始めになる方がいらっしゃるかも知れません。しかし、ここから話をお始めになっても効率は悪いと思います。これは確たる根拠があるわけではありませんが、無線界,インターネット界で猛者の領域にある方でしたら、小笠原へ渡航するつもりが無くても、2mの1Wハンディ機だけの申請でJD1コールが取得できるでしょう。但し、これは総通の担当者が、その方の申請を却下したら何をしでかすかわからないと警戒しているとお考えになった方がよろしいかと思います。ご自分のホームページやブログ,様々なBBS等で、「関東総合通信局 無線通信部陸上第三課アマチュア担当の○○さん、なぜ私にJD1コールを与えて下さらないのですか? 法的根拠に基づいてご説明をお願い致します。」とそこら中に書き綴る可能性の極めて高い人ですと、総通の担当者も直ぐにJD1コールを発給するでしょう。総通の担当者も人の子です。こういう人に徹底的にやられたら困ってしまうはずです。ところで、あなたは無線界,インターネット界で猛者の領域にある方ですか? そうでなければ、もっと普通に考えましょう。